白亜の器
★HIDE

閉ざされた空間に
そっとしゃがみ込む

消え逝く記憶の間に
確かに残る感触

「忘れても良いよ」
「そう云うと思ったよ」

区切られた時系列で
淀みなく進む作業

失望とか諦めとか
厭世とか後悔とか

全てはあの時に
あのコトバから始まった

「他に選択肢はないよ」
「少し時間をください」

数時間の猶予だけで
駆け込んだ白い大きな器

段々と中の世界に溶け込んで
外の世界が消えていく

残された絆は
金属の塊と細い電気の糸

コトバの意味さえ薄まって
白い壁に埋まってく


自由詩 白亜の器 Copyright ★HIDE 2013-11-09 16:27:52
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