秋を生きる
かの

簡単に見えたものがどんどんそうでなくなるの
呼吸を整えてもまた喉がつまって
秋の風吹くひまわり畑の中で
あの日のサンダルでできた靴擦れをこじらせてる
夏を秋を冬を春を
もう何度も知ってるのに
雨が降ったからふさぎこんだ


インターネットの中で
汚い言葉を叫でる


水たまりにつまづくけど
笑った君の顔思い出しても
眉毛の一本もうごかさず
虹が出たら寝たふりをしよう
いつだって泣き出せるよ
終わってないことが多すぎた

貧弱な行動力と豊富な妄想力で
苦しく駆けずるんだ
だれかビールを持ってきてよ
いっしょに乾杯しよう
紫のルージュをぬってみたい
いつだって気づいたときには遅かった

濃くなったら沈む合図
銃の音はならないのに夜は始まる
インスタントのカフェオレが
わたしの簡易的な沼でした


今日もぐびぐびちゃぽんと
生きてく準備をしている


自由詩 秋を生きる Copyright かの 2013-11-08 22:38:09
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