人肌恋しいあなたへ
ゆず

ほんとうに好きかどうかわからないあなたの
欲をカラオケで満たしたとき
どうして涙が出そうになったのかな
身体じゃなくて 心が穢れたとおもったのかな
想うのはいつも家族のことなのはどうしてかな
ああ涙がでる

わたしはいつまでも少女のままでいたかった
澄んだ瞳で世界を見渡したかった
わたしの瞳が濁っているから世界のうつくしさがわからないのだと
信じてるのまだ

あなたのことを好きになりたいとおもう
おめめが可愛いから
拗ねた顔が可愛いから
わたしを愛してくれるから
優しくしてくれるから
体温が高くてあったかいから
でも心がついていかないの
「触らないで」「なんで?」
きもちわるいから。
舌と舌、きもちわるいの。「なんで?」

男の子はみんな下心があるってことを
まだ子どもなわたしは受け入れたくなくて
たとえ王子さまみたいな人がいたって
その人には可愛いお姫さまがいるんだってそんなの
かなしすぎて信じたくない

みんながみんなそうだとして
みんな本当に愛してるのは可愛い可愛い自分なんだってことを
みんな本当は誰だっていいんだってことを
わたしは優しくされれば愛してくれれば簡単に人を好きになるような女だってことを
まあいいかと流されてしてしまったいろいろな行為を
認めて受け入れて
そのうえであなたを愛せたら
わたしは大人になれますか?

わたしをあなたのアクセサリーにしないで
わたしをただの欲の捌け口にしないでと
願うことを諦めれば大人になれますか?

それならやっぱり
わたしは大人になりたくないのです
消えちゃいたいくらい
涙がぽろぽろとまらないくらい
子どものままでいたいのです

でもあなたのことを好きになりたいとおもうよ
だってさびしいから
あなたときっと、同じ理由。


自由詩 人肌恋しいあなたへ Copyright ゆず 2013-11-04 22:38:26
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