まわり道
伊織

間違いたくて最終電車をやり過ごす
日付が 変わった

 きょうは
 だれに
 さまよう

幻想を見るのは自由だと言い聞かす
差し出したものに見合うだけの温度が欲しい

 どなたか
 ひろって
 ください

ダンボールに収まるには育ちすぎた
手足を最大限抱きしめても自分以外になれない


    揺れる黄色い帽子と黒いランドセル、
    見ている方が好きでした


始めから道なんてなかった
少なくとも道とは呼ばれない何か
うまく歩くのも苦手だから
ただ風に吹かれている






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初出 2013/10/15
「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)
http://anapai.com/CGI/cbbs/cbbs.cgi

お題はみみずくさんです。


自由詩 まわり道 Copyright 伊織 2013-10-30 22:15:48
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