九月のノートから2 (十首)
もっぷ
本当のことを言うのを失言と大人は諭すこどもの余白に
わかってる何度も読んだ本開き一番いいとこ破って捨てる
明日ならばきっと良い日と思いたい昨日にめちゃくちゃに落ちてる今朝
起床よりあとに鳴りだす目覚ましの日には毎回びくっとしてる
コンビニがぐるっと三つあるけれどどこも微妙に自転車の距離
ごみ箱がきょうも待ってる文字の山捨てる主の未練知っても
たやすくは覚えられない名前持つムーミンたちの親しみやすさ
帰宅して着替え済ませてなお残る近い他人がくれた挨拶
北国の友の科白が沁みる日の切れたケータイまだ暖かい
肉まんを買いにゆこうとした耳に午前一時のそとの人声