オザケンの歌っていた日
番田 


僕は今日も眠っている
足りないものとは一体何 この言葉は
不確かな僕の心の中に思わされるようだ  
僕の目がその奥に今抱え持っているものとして


新聞の見出しを見つめていた
この大きな岩は 文字表現など無意味にする
この瞬間 その場所に 存在していたのだ
人間の見てきた夢であるようなもの


無であることとは何だろう 手にとるべきものを
僕になど 知られてはいない人へ きっと ただむけて
空へぼんやりと放り投げていくとき 灰色であるグラスが
存在するそれ自体の意味を証明するだろう


自分自身を一体誰に向けて表現しているのか
わからない だが 僕がいる
表参道のざわめく並木道の中のどこだろう
カップルたちの寄り添う後ろ姿のどこかにいる君 


やぶれた服 金にもならないユニクロのフリース
行くのも 帰るのも 寂しく ただひとり
この心は何もよくわからないままで 
スマホ自体の不安感を手に持たされて


きっとそう ただ憧れているだけ 
僕である全てに この心は 
何も掴むべきものがなくなってしまった 
この見えないダンスが何も確かではなくなって



自由詩 オザケンの歌っていた日 Copyright 番田  2013-10-27 23:47:58
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