いいともだって
八男(はちおとこ)


笑っていいともから電話がかかってくる人になりたい


小学生のときから どこかで少しだけ そう思って生きてきた




それが完全にかなわない夢に あと半年でなってくれる




俺の地元には 山や 建物や 電柱や ポストや


道があって  そこを行ったり来たりする 毎日だけで





家のなかで テレビをつけると タモリがいて 笑っていいともがあった



そして また 道があって 行ったり来たりするのだった






学校の帰りに 石を拾って石器じゃないかなと話ながら


ときおり タモリの話もしたものだ




おとなのサングラスをこっそりかけてみて


タモリと言ってみたものだ




街の風景は 基本的には変わらず あとは そこを 行ったり 来たり




じいさんや ばあさん が たくさん死んでいっても


笑っていいともは 昼に やっているものだった




田舎には いろんな 風邪 みたいなものがやってくるけど


やっと 笑っていいとも とか タモリとかいう風邪みたいなものが





たんぼから 道から いなくなって




そこを だだだだ だだだだ と いつものように



新幹線が 走っていく











自由詩 いいともだって Copyright 八男(はちおとこ) 2013-10-27 22:09:00
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