心の闇
葉leaf


火山灰で覆われた現代の都会から皆が脱走した
心の闇を共通の言語として用いて

田舎の畑を引き裂いて昇ってくる太陽に
心の闇を肥料としてくれてやった

錯乱した鋼鉄が動けないでいる
心の闇はいちはやく抜け出したというのに

村の祭りに生き甲斐を吸い取られてしまった
心の闇を真っ先に祭壇に載せて

草が集まりしずくが集まり光が集まった
心の闇の上澄みが集まっただけだが

憎しみから蔑みと嘲りが分離独立した
心の闇は最後まで旧体制の側についた

死体が花に埋もれたくさんの悼みとともに宇宙へ散っていった
心の闇は遺産となることができず宇宙に初めて居場所を見つけた


自由詩 心の闇 Copyright 葉leaf 2013-10-25 15:51:14
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