幻想
梓ゆい

黒服に落ちる涙は

雪原に紛れたダイヤモンドより

安易に見つかることは無い・・・。

あと少しで咲きそうなつぼみをつけた木々は

それらを隠すかのように

一面の雪景色を枝々にまとう。

うれしさも悲しさも

全て一つの感情にして

シンプルな考えを覚えた日

次なるものを

早く

多く

見つけ出せるようにと

田宮稲荷に手を合わせ

旅立つためにだけ

荷物を捨てた・・・・。



自由詩 幻想 Copyright 梓ゆい 2013-10-16 18:55:34
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