時間の重さ
梅昆布茶
雛菊をみていた
毛氈のような緑に
ところどころ陽に照り映えてある白
海をおもいだしていた
流木の漂白された肌が
曇天に無色をそえる
時間の重さをはかる
手のひらの中の一握りの砂と
バランスをとっている質量
魂があるならその在り処をさがしてみる
思いつく限りの言葉をなげかけて
そして回答する誰も
いやしないことに気づく
孤独であることが原点だと
言い切ったひとの強さをおもう
その言葉に実感のない自分が
どれほどをひとに語れるものかを
夏をおもいだしてみる
木漏れ日にふちどられた
それらの日々に誰と過ごしていたのか
わかちあえたものとそうでないもの
取り替えることのできない時間の順序を
いまさらに自分のいろで塗る
雛菊をみている
それは野の髪飾りのように
風に揺れる白