肝油ドロップ
望月 ゆき
ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす
と
コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、夕べ
千里をもかけぬける
しじまの支配を
小気味よくすりぬけては
ドロップを、ほおばる
あなた
さしだすわたしの手
に
平たい空っぽの缶と
守れない3粒の、
約束
つめたくして、ごめんね
そんなあなただから
空っぽになるくらい、好きだのに
自由詩
肝油ドロップ
Copyright
望月 ゆき
2005-01-08 00:40:44
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