貴女のお尻を見せて下さい
花形新次

人通りの少ない路地裏の
心許ない電灯の下で
会社帰りの少し疲れた
でも肉付きのいい
三十代前半OLを待ち伏せしていると
ちょうど、えりなさん(仮名32)が
通り掛かったので
前に立ち塞がり
思い切って告白した
「貴女のお尻を見せて下さい」
えりなさんは初め何のことやら
分からないでキョトンとしていたが
二秒で事情を飲み込んだようで
「私のこの豊満なお尻のどこまで見たいわけ?」
とニヤッとして聞いて来たので
少し引いてしまい
「貴女のお尻には奥ゆかしさがない、この売女!」
と涙ながらに訴えると
えりなさんは反省し
後ろを向いてパンティを下ろすと
尻文字で
「ごめんなさい、悪気はなかったの」
と書いて
夜の街に消えた


自由詩 貴女のお尻を見せて下さい Copyright 花形新次 2013-09-21 08:01:38
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