雪景色は明日も
ヨルノテガム




迷う男と迷う女の
迷う街を迷う足どりと方向の。

雪の結晶のような街の明るさに反射する気持ちは
雪空に抜けゆく、カラカラとした女の笑い声と
慎重なタクシーの回転はまるで別世界の歩みね
兄妹のように男と女は別れる

その前には 白い息と苦笑いを交換し合う
その前には 股間を足蹴りされる男のうさぎ跳びと
その前には カラ元気なキスと抱擁を
その前には 手さぐりで探す乳房の先と雪合戦を
その前には 街は眠り雪は眠り静かな合奏を


酔うカワイイ女の足元を気遣う男の下心の、
スカイダイビングね ここにもあそこにも雪の着地と
ダンス踊れるかしら 泳ぐように
ビル建物は巨大なスピーカーみたいね
さあ さあ 上向いて回りましょ


舞台装置のような夜空の暗さとビル建物の
輪郭は浮かび急に出会う、降り来る雪と
夢の続きの街のネオンを仰ぐ
雪の結晶のように立ちすくむ男の背中の、上

後悔をさせない天使の浮力が
街を小さく遠く








自由詩 雪景色は明日も Copyright ヨルノテガム 2013-09-20 03:05:59
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