新月と男
みけねこ

風が吹いている
風はとてもつよい
そしてくらやみ


26時を過ぎた
あんこく

に、

満天のほしぞら

と、
さざなみと
汽笛
のイミテーション

破片、くだけっちった貝殻
キリル文字の看板
赤銅色の、

散歩して。
なんにも見えやしないのに歩いている
マントをひるがえしている
かもしれないよね、

そうしているうちにある朝のきみの腕を思い出す
そうだゆたかであった
宇宙はこんやも健康である、

確信したい
ようなね、かといって
そうでもないのでしょうよ
呵呵,呵呵
けっきょく

てのひらのなか
燦燦と光る月のたまごを
もてあそび
歩くよ、歩くよ
ご安心くださいよ
あいまいであんのんだ、だから

ぴゅうーーぷひゅうーーー
歩いてね
海の上、異世界、大きなまあるい穴に入るよ
那你慢慢来吧、不気味ですよ
光景は、おそろしくないわけではない、つまり?
こわいということでしょうか?
(だれもこたえられない質問も、あえて。)

ねえ、誰か見たことがあれば秘密だよ
たぶん次に吹く風の中に消えているよね、






自由詩 新月と男 Copyright みけねこ 2013-09-04 01:40:38
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