咆哮。
時子

咆哮ほうこうする。
私は咆哮する。

涙をこぼす数多幾多あまたいくたの星々に、

命を削り飛び交う虫螻むしけらどもに、

彼に口付ようとするあのアバズレに、

朝日を浴びて灰になったお前達に、

胸を掻き毟り、髪を乱し、赤いまなこを光らせて、


それでも「生きろ」と。


顔の見えない誰かに首の鎖を引かれながら、

私は咆哮する。


自由詩 咆哮。 Copyright 時子 2013-08-28 16:24:46
notebook Home 戻る  過去 未来