シャドウ
砂木

歩道と車道を分ける
足元のブロックは
道にそい カーブにそい
入ってはいけない場所が
存在するのだと教える

枠は 時間と共に崩れ
修正されては 崩され

鳥に遊ばれ 虫にうとまれ
草に突かれ 風の思うまま

誰かが 置いた小石が 
行くなと言う

誰かを置き去りにしても
いくな

土ぼこりのついた 靴と靴下
洗いたいと無口で言えない眼

真直ぐって 本当に力ですか
時間割のような一歩でもなく

しかたなく従う命の姿
命令でもなく 号令でもなく
時の声

晴れたのなら 傘をたたんで
花になる 打つ風にさえ歌う

崩れた枠に飲み込まれた種
発芽の波乱 

飲み込まれる
コンクリートの枠

たくさんの渦花が 
道に 漂っている




自由詩 シャドウ Copyright 砂木 2013-08-27 00:15:54
notebook Home