薄化粧をして
佐倉 潮

夜明け前に
降り始めた激しい雨が
いつのまにか
霧のような雨に変わり
家々の屋根も
高速道路も 田んぼも
木々も 町がみな
おしろいを
すべらせたように
薄化粧をしていた
 
外出のあてをなくした
子供たちの代わりに
どうやら雲の近くまで
出かけていたらしい



 − With just a touch of make‐up


自由詩 薄化粧をして Copyright 佐倉 潮 2013-08-24 22:57:42
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