DOLPHINS
カワグチタケシ
海岸線から見上げる丘の東屋には
大きなオレンジの実がなっていて
僕らはいつでもそこに行けるんだ
貝だらけのビーチに一人こしかけ
波にたわむれる君びしょぬれの犬
西の入り江に沈むオレンジの太陽
夕日を背に笑う僕らはいつの日か
この光景を思い出すそして忘れる
多分ある確かささえ持ってそれを
だんだんと色褪せていくネイビー
ドルフィンズそしてドルフィンズ
闇にまぎれてく波頭の沫になって
ボックスシートにふたりならんで
流れていくブルーをながめていた
夏のままでいたかったいつまでも
そして別のブルー深い深いブルー
パーム・ツリーの並木道を歩いて
もう一度あのブルーを探しに行く