詩に似た詩についての詩
yamadahifumi
何故、これほどまでに多くの詩が存在するのか
・・・ふと思うのだが、この世界の詩の大半は
詩的ではあっても、詩ではない
それは詩への憧憬ではあるが、詩ではない
そして、詩を形づくるには何より
デカルト的な意味での孤立した「私」が必要なのだが
私達は誰も私を持てないために
だから、世界はこんなにも詩によく似た詩で溢れているのだ・・・
しかし、ふと考えれば、それは詩に限った事ではなく
あらゆる事象がそうである
知的ではあっても、知ではないインテリや
才能があるように見せかけているが、実際、才能とはどんなものか知らない人々
天才的であるが、まるで天才の苦悩とは関係のない人物
・・・そして、人生であるようなものの、本当の苦難や
自分だけの歩み乏しい道に欠けた人生という名の人生に似た偽造物
・・・ふと、気付けば、世界はそんなものでできあがっている
だから、今、僕がこうして書いている文章も
もちろん、文学に憧れただけの、全然文学ではないものに違いない
それでも、文学があるとすれば、あるいは『詩』というものが存在するとすれば
・・・それは全く文学らしくもなく、詩らしくもない形で存在しているのかもしれない
・・・そして、それは花に全く似ていないのに、花の美しさを思わせる
・・・『君』の姿に少しだけ似ているのかもしれない