冬の信号弾
石川和広

  来るな、
        ここから先に火柱が上がる
   
   
     来るな!                    
        はじめから、ここにいる


     来て?
        手紙を書いてあかした指のちぎれる明け方の足から

     ツライ
        君の指先はどこだ 爪を切ったほうがいいよ
   

   そこは危険だ…
        だいたいにおいてですね このヒトたちは だれですか





       つらなり消えていく、閃光 、花火


   
           
           +


     わたし
     影
     たしかに影絵
     あんまりな非在
     わけもなく暴虐
     いつもここから
     出遭う
     錆びたバス停に片手袋が落ちている

     落ち着かない光の揺れ
     あなたの鳥肌を山影が撫でて
     わたしの瞼に、電流信号
     (何に嫉妬しているのだろうか)


     
     体のないもの
     ありすぎたもの




  今でも
     怠りながら
     確かめ続けている


自由詩 冬の信号弾 Copyright 石川和広 2005-01-05 04:30:02
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