八月のメテオール
高原漣


風が立つ わたしは語ろうと試みねばならぬ

閉じたとびらのむこうに 何があるのか



風が立つ わたしは殺さねばならぬ

胸の中で にくらしい太鼓がまだ打っている



風が立つ わたしは征かねばならぬ
 
幻の鳥は 北へむかって飛ぶ



わたしは大火球を追って

まっすぐに北をめざす

帰る家など無いというのに

幾筋も蒼い血は流れて

山河ありき

ひこうき雲は消えていく



まだ風が吹いている

わたしは流れてゆく

八月のメテオール


自由詩 八月のメテオール Copyright 高原漣 2013-08-06 15:06:46
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