乱反射
ベンジャミン
眩しいわけでもないのに目をあけていられない
そこかしこに散らかった僕が目障りなんだ
未来はまったく見えないのに過去はあたりまえに僕を睨んで
今にぶらさがっている僕は次につかむ手がかりを探している
やっと見つけた何かが蜃気楼だったり
頑丈そうに見えたきっかけが脆かったり
そんなことはしょっちゅうだから
たとえば明日の目標を唱えたとして
その声はこだまするうちに壁に吸い込まれてしまう
空に掲げた希望は僕よりも早く昇ってしまうから
なかなか外にも出られない
窓から差し込む日の光は部屋の中に立体を形作るけど
そこには常に陰があってそれはしだいに広がってゆく
いくつもの光線をはりめぐらせても
見えないいろいろはあるものだから
僕は半分運にまかせて立ち上がろうとするんだ
自分が動くことで生じる変化が屈折を変えて
隠れていた何かが浮かび上がってくるのだと期待して
けれど僕の中で繰り広げられる葛藤という衝突は
不規則な火花を散らして残像ばかりを焼き付ける
ふらふらと歩きながら目標の定まらない僕のつま先は
ときおり暗闇につまずくのだけど
そのたびに
気まぐれな変化がつかのまの光を投げかけて
僕は探してもいない希望の言葉を見つけてしまうんだ
こんなふうに