乱反射
ベンジャミン

眩しいわけでもないのに目をあけていられない
そこかしこに散らかった僕が目障りなんだ

未来はまったく見えないのに過去はあたりまえに僕を睨んで
今にぶらさがっている僕は次につかむ手がかりを探している

やっと見つけた何かが蜃気楼だったり
頑丈そうに見えたきっかけが脆かったり
そんなことはしょっちゅうだから

たとえば明日の目標を唱えたとして
その声はこだまするうちに壁に吸い込まれてしまう
空に掲げた希望は僕よりも早く昇ってしまうから
なかなか外にも出られない

窓から差し込む日の光は部屋の中に立体を形作るけど
そこには常に陰があってそれはしだいに広がってゆく

いくつもの光線をはりめぐらせても
見えないいろいろはあるものだから
僕は半分運にまかせて立ち上がろうとするんだ
自分が動くことで生じる変化が屈折を変えて
隠れていた何かが浮かび上がってくるのだと期待して

けれど僕の中で繰り広げられる葛藤という衝突は
不規則な火花を散らして残像ばかりを焼き付ける

ふらふらと歩きながら目標の定まらない僕のつま先は
ときおり暗闇につまずくのだけど

そのたびに
気まぐれな変化がつかのまの光を投げかけて

僕は探してもいない希望の言葉を見つけてしまうんだ
こんなふうに





自由詩 乱反射 Copyright ベンジャミン 2005-01-04 18:03:46
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