インクルワード
秋也
搾りだした言葉と色
空に舞い
螺旋状に登っていく
あちらではシャボン玉
ただよい
ただ酔い
宵へと破れる
朝日夕陽星空
月明かり
新月
夜から朝へ
繰り返し
繰り返し
梟が鳴く度に
明けては
閉じ
開けては
綴じる
梟の目が閉じる度に
繰り返す
消えて
現れ
現れ
消え
彼方に広がり続ける
意識世界精神
膨張収縮
自分他者
宇宙であり空であり
ちっぽけな私たちの中でもある
それはあなたが無意識に絞り出した声だから
それはあなたが意識的に叫んだ歌だから
パイプオルガン
深海魚
牙と骨
それに化石を少々
そろそろいいかな
彼女と抱き合って
溶けて
泣きそうだから
涙はベッドシーツを通過し
下へ沁み
狐が鼠を咥える度
ルビーエメラルドサファイヤ
赤に緑
それに紫と青のバイカラー
妖しく色へと結晶物に
儚くも叶っていく
最後にもう一度
林檎
ラッパ
舟
洪水
無作為な希望を
ピンクのテープで包装
もちろんソメイヨシノが散っていく心情と現実と
同様同義である
風が吹くように
言うまでもない
散ってしまうから
言うまでもない
アスファルト
花びら
雀と花蜜
しつこいぐらいにあなたと世界に押し付けて