現象学
はなもとあお

【現象学】


それが親切なのか、意地悪なのか、世の常なのか、わからない

存在と時間
わたしにとって、治療をすすめるということは
意識的な時間を増やしていくということ
無意識で動くことを、極力、無くしていくこと

眠っているときに見る夢は
無意識に左右されるけれど
せめて、起きているときに見る夢は
全、意識のもとで、把握していたい

出現した姿が
誰かの理想と違っていたとしても
もう、盲目に、誰の言葉にも左右される時は過ぎた
わたしは思考する

かつてのわたしは確かにどこまでも、仮象だった
でも
いまは違う
意識は、わたしを、支配しはじめた

うつろうことを止めて
悲しみを受け入れて
現実にかつてより確かに足をつけて
逃げるより前を向いて

湧き出る気持ちは現象的
話し言葉もまだ未熟
だけど、わたしはちょっとずつ、
なりたいわたし、なれるわたしを見極めていく

たくさんの言葉を支えに
歩いてきた道は
道としてつづいてゆく
未知の可能性を秘めながら

わたしは、ひとりの人間になりたかった



参考文献
『現代思想フォーカス88』  木田 元 編  新書館





自由詩 現象学 Copyright はなもとあお 2013-07-23 21:55:25
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