道化である必要なんてない
ヒヤシンス


夜の鏡に化粧を落とした道化者の喜怒哀楽の無い表情が映る。
上からの圧力と下からの形だけの信頼の間のクッションとして、
日々を淡々と送るあなたは悲しき道化者。
あなたの昼間の顔にも本当の笑みが訪れる事を祈る。

あなたの真面目さに気付く人がいないんだね。
ただちょっと生きる事に不器用なだけなのに。
溢れるほどの優しさと思いやりの心を理解されないもどかしさは、
苦痛を伴ってあなたの心のビーカーに溜まってゆく。

支離滅裂な感情が夜に解放されればいいけれど、
それが一時しのぎである事は百も承知だろう。
枕に顔をうずめて大声で泣ければ少しは楽になるだろうにそれが出来ない。

金こそが全てを守るものだ、ともやもや考えているうちが一番つらいだろう。
心のビーカーが壊れて大量の苦しみが溢れる前に一緒に話そうよ。
あなたの存在自体に価値はあるんだってことを、さ。




自由詩 道化である必要なんてない Copyright ヒヤシンス 2013-07-13 21:24:38
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