滑らかな試金石
るるりら

夜の無人島は試金石のようだ

あなたの口が おさかなみたいに 
「ほら みてごらん海蛍だよ」とうごいて
漆黒に さよふく海の限りの無さを
その生き物は 敬虔な光りで流れる

潮に洗われているのか
それとも イキモノが海を 洗っているのか
潮は遠浅

漆黒の空は 滑らかにうねる闇の海は
大地を 磨いているのか
いや この潮風に 磨かれているのは
だれあろう 

わたしでもある

なんて なめらかに わたしをつつむ 凪だろう
なんて なめらかに うごく漆黒の海だろう
海を すこしだけ あしでうごかせば
わたしに 呼応して 海ほたるの光が またたく


しずかだ

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初出「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)に
投稿させていただいたもの

http://anapai.com/CGI/cbbs/cbbs.cgi?H=T&W=T&no=0
タイトルは、aoba_3Kさんです。


自由詩 滑らかな試金石 Copyright るるりら 2013-07-13 00:05:31
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