ケセランパサランの居着く砂
黒乃 桜


砂時計に混ぜたのは アルタイルの残骸
いつか両手が温度を取り戻して 僕が紺色を仰ぐまで
砂と星屑は落ちていく ただ さらさらと落ちていく

枕に蹲る 理念のズレた少女
暇潰しに電子地図を描いた
「レースとリボンとバラがすき、本当は」
ああ 泣けたら良いのにね

見付けに行こうか、 あの日飛んでったケセランパサラン
今頃どっかで 君が見た事も無いような
花を咲かせてると思うよ
だから 探しに行こうか、砂が落ち切る前に
見付け出したいんだ

ほら。
赤い

僕は
ただ紛れもなく欠落したネジを蹴ったくって
無くしてしまった というより 隠してしまったよ
呪いを受けたのは
汚れの無い瞳

くすんだフィルターで常識狂いを 見分けられない
曇った青空が 見えるといった。

見付けに行こうか...あの日勝手に飛び出して
20℃の風に寄り添った
世渡り上手なケセランパサラン

探しに行こうか...永遠を可能にした
赤い赤い花に 喰われてしまった君よ
砂に埋れた純情
或いは心情
ああ 泣けたら良いのにね

もう 永遠だけが浮遊して
ここには戻らない



自由詩 ケセランパサランの居着く砂 Copyright 黒乃 桜 2013-07-12 23:23:29
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