若い人たちへ
ヒヤシンス


朝日を受けて、今旅立ちの時を迎えようとする者よ。あなたの選択は正しい。
あなたはまだほんのエメラルドの原石かもしれないが、この道をゆくことによってそれは磨き抜かれ、本物の硬質なエメラルドとなるのだろう。
たとえ他の誰もが見向きもしないとしても、私だけは今こそ天に祈ろう。

あなたは混乱の内に出立することになるだろう。何かに急かされるように。
しかし焦る事はない。今人生の只中にいる者も、終焉を迎えようとする者でさえも初めはそうだったのだから。だからあなたはあなたの信じた道をゆくがいい。
誰にも文句は言わせない、そんな気概さえあれば他に怖れるものなど何も無い。

さぁ、出立の時。希望の帆を張り、勇気の舵をとれ。夢への船出だ。
私はあなたを見送る。あなたのその後ろ姿に頼もしさと逞しさを感じる。
雷鳴が轟き、荒波にもまれ、全てを失う事になろうとも、自分だけは見失うな。

私こそは別れの竪琴を掻き鳴らす者。
成長してこの浜辺に戻ってくるあなたを出迎える者。
そして、あなたにはいつでも帰る場所があるのだ、と伝える者。


自由詩 若い人たちへ Copyright ヒヤシンス 2013-07-12 19:20:08
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