滑らかな試金石
あおば

            130711




微振動と微笑みながらも
注意深く
居住まいを正す
夾竹桃の花が散ると
涼しくなるのだ
祈るような気持ちで
暑すぎる太陽を扇ぐ
目がクラクラするが
彼等は数時間後には退散するから
その後で少しは凌ぎやすくなるかもしれない
朝のことは分からない
夜更かししては中性の消化薬を求め
チュウインガムを手放さないから
夏バテして
いつまでも耐え難いのです
早起きして午前中に励みなさいと
古い石碑にも滑らかに刻んであるから
心を入れ替え
居住まいを正し
扇を活用しなさいと
大正生まれの大叔母は唱えるけど
明治生まれの祖父は
上半身裸で西瓜にかぶりついていたはずだ
耐え抜かれた滑らかな肌からは
滝のように汗が流れて
てらてらと光り
黒光りしていたのを思いだす
鬼籍に入った方の記憶は輝度を増して
純度も高まるのかも知れないが、
扇なんかではとてもがガマンができません・・。



自由詩 滑らかな試金石 Copyright あおば 2013-07-11 21:28:11
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