葉leaf


鳴き始めたセミたちが
鳴きながら静かに狂っていくので
今日も一面のボタンの掛け違え
木々の内部に噴き上がるものが
上端で崩壊しては一秒一秒をつまずかせる
季節につけられた華やかな汚名
それが夏であって
悪意のない嘲笑が全世界をたわめる力
それが夏の落下である
伸びすぎた木の枝や茂りすぎた葉
豊かさと煩わしさはいつでも涼しげに葛藤し
軍配はただちに地に落ちて虫たちにたかられる
大きな雲たちは天上の密集した憂鬱の排泄物
強い日差しは宇宙の細やかな気遣いの増幅器
するとたちまち雨は厳しい電燈となり
かげった風たちがてんでに名前を唱え
地を這う夏の節部たちが輝かしく気炎を上げて
誰にも知られない場所にある最後の扉が
誰もくぐれない夏の扉が
にぎやかに開いて
季節はその音を際限なくこだまさせた


自由詩Copyright 葉leaf 2013-07-08 16:05:08
notebook Home 戻る