箱庭にて 天翔る河より
黒ヱ

この遮りの雲海の
流し 渡る 天翔る河

「寂しくはないかい」
「凍えてやいないかい」

極光を また遠くの日と重ね
枯れた縁の花を想う
逃げ水追うが如く 
行けど近づけぬ景色に 滴る
その終には 再び違う景色を追う

「泣いてやいないかい」
「また 探してやいないかい」

触れる 約束の間の花弁に
一輪の瀬 そのひとつひとつが 
想える 綺麗な星星に
何をも 総てが要らぬものでは無かったと
心から言える

「愛を聞いて また呟いて」
「約束をして それぞれを叶えて」
「求めて あるいは その為に離れて」
「愛を伝えて 愛して」
「そして 別れが来る」

「その先で 更に再会がやって来る」

陰りの園 青い香が蒸す上で
天井を仰ぐ
そして あなたを想う

「ねえ あのふたりは逢えたのかな」


自由詩 箱庭にて 天翔る河より Copyright 黒ヱ 2013-07-08 02:36:47
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