リトル・タウンのデタラメな路上
ホロウ・シカエルボク
狂った夜を漂うのは
他ならぬ俺の宿命
致死量を超える血液が
渇いてこびりついたそんな宿命
栄えず、けれど騒がしい
糞みたいな街の声が遠くに聞こえる
眠りたいのに今日に踏ん切りがつかない
うたた寝みたいな日々なら生き抜く気はない
リトル・ランド、脳髄がとろけ出す
シャッタードした建造物の内側で
発光する小さな画面に
次の為の道具を並べ続けている
週明けには電話をしなければならない
俺はどんなことにも
頭を抱え込んで生きている男だ
迷いの生じないものは
ハナから関わる必要のないものだ
本当はあんただってそう思っているはずだぜ
迷いのない世界へ行けるものなら行ってみたいが
きっとそんなところじゃあっという間に死んじまうだろうぜ
サバスの為に生きてるわけじゃない
誰かの為に生きてるわけでもない
リトル・タウンのおままごとに付き合いながら
死ぬまで舌を出すのをやめるつもりはないさ
表通りを行き交う車の流れが
不自然なほどに止まった数分間
俺はそこに居ながらどこにも居ない
そんな自分の魂を感じた
そんな時の詩には何が書いてある
そんな時の詩には何が書いてある?
暗闇の中で目を見開いて
小さな画面の中にあるものを確認するんだ
そこに何が書いてあるのかなんて
少しも理解する必要はない
正しい理解は正しい速度でやってくる
人生はシューティング・ゲームとは違うんだ坊や
俺は時に置き去られたチンピラだ、言葉を唾のように吐き
汚れた路上についた模様を詩情と呼び
不規則な眠りから生まれてくる偏頭痛を
孫悟空の輪のように頭にまとわせている
ここから出ていけ、うるせえ
俺は精一杯生きる
ここから出ていけ、うるせえ
死神なんかお呼びじゃないぜ
丑三つ時になっても往来は静まらない、だって今日はウィークエンドだから、街に群がる蝿の王どもは夜明け近くまで騒ぎ続けるさ、煙草と酒と性交の臭い、それがやつらの言う自由なんだ、唾液、血液、精液、吐瀉物、小便、あらゆる体内の水分が道にぶちまけられて、そしてそいつらのそれはとても詩なんて呼べる代物じゃない
俺は
そんな街の中で
こうして
書いているわけさ