人間である事。
ヒヤシンス


草原を駆け抜ける馬ほど逞しく美しいものはない。
彼、もしくは彼女は、己の肉体を誇示する事は決してない。
彼らのたたずまいは、我ら人間を遥かに超えている。
人間には恥じる心が必要だ。

バルコニーに咲く一輪の薔薇ほど清楚で凛としているものはない。
女性的な香りをうっすらと漂わせているが、決して夢に酔わせるほどではない。
気品に満ちており、自らの棘で静かに貞操を保っている。
人間には謙虚さが必要だ。

後悔を得意とする人間は多いが、反省が出来る人間は少ない。
過去を振り返る人間は多いが、未来を創造する人間は少ない。
逃げ道を確保する人間は多いが、前進する本当の力を発揮できる人間は少ない。

逆だろう!いつしか人間はあべこべの人生を歩んでいる。
今こそ自分の心に問うてみるがいい。
本来人間は、馬よりも薔薇よりも強くて美しい魂を各々が備えているはずなのだ。


自由詩 人間である事。 Copyright ヒヤシンス 2013-07-07 21:15:14
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