モンマルトルへの手紙
月乃助

ジャンヌ・
エビュテルヌ へ、


たぐいなく

五本、僕には絵筆を自由にする指がある

夏の陽射しのなかで

あからさまに 風景を絵画にきりとりながら

固定らしき均整をもとめる 学院に唾をする

それなのに、朝起きればときに

あらゆる隷属する 自分を欲した

完全に 秩序をうたがわず

服従に 甘んずるもの

矛盾するための十代

僕たちにのみ いのちを変える 力があるなら

僕らは、商人のように払ったものの対価を

手にしようとは、しない

つまらぬ大人たちに 握手をするごと

鋼の手袋をする 使い捨てのそれを

握手がおわれば、投げ捨てる

僕らは、いつも何かのために 心をふりしぼり、

( 恋人のため

芸術のため

革命のため、

変革には、実体がある )

つねに孤独とともにいた

肌をよせあい 抱きしめあった

描かれたあなたの絵の命題は :

神のごとく 人間の首に 神聖をもとめますか。

モンマルトルの あなたを描いた画家のように

穏やかな世を なみするものに

僕は、なりたい 

いまだ、女はコルセットを外せず

男は、スカートをはくことが

できないのなら


                    R.S.V.P




自由詩 モンマルトルへの手紙 Copyright 月乃助 2013-07-02 22:08:57
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