春のキャンペーン
壮佑


トーストセットを注文すると
今は春のキャンペーン期間中だそうで
赤い三角くじを引かされた
「お目出とうございます。当選です」
グラマラスなウェイトレスが言うには
姪っ子が一人当たったのだそうだ
長い間会ってないなぁ……
テーブルに着いて待っていると
ずいぶん成長した姪っ子が現れた
うんうん可愛くなったじゃないか
ふふ 胸もふくらんできているな
私はなんだか気分を良くして
姪っ子の顔にマーガリンを塗りたくり
ペタッ! 額にぽち袋を貼り付けてやった
それはいいとして 今日はあの
グラマラスなウェイトレスが気になるな
つい胸やお尻をチラ見してしまう
おお またこっちにやって来るぞ
至近距離まで来るとこれがまた……わおぅ!
「本日は母親もサービスになっております」
グラマラスなウェイトレスがそう言うと
後ろから信玄袋を下げた母親が現れた
「げっ、おふくろ!」
私は慌ててテーブルの下に潜り込んだ
「頭隠して尻隠さずじゃ。いつまでたっても
あんたは尻たぶらの青いのが消えんけのう」
母親はテーブルに信玄袋を置くと
私のズボンの臀部をガバと下げ
むき出しのお尻に苺ジャムを塗り始めた
「勘弁してくれよ〜」
私はテーブルの下から這い出ると
うな垂れながら椅子に座り直した
「いつまでたっても甘えんぼさんじゃけのう」
母親は私の顔に苺ジャムを塗りたくっている
ぽち袋を貼ったら早く帰ってくれ
「そがなもんはない!」





文書グループ「コーヒーショップの物語」






自由詩 春のキャンペーン Copyright 壮佑 2013-07-02 20:37:32
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