絡みつく雨
石田とわ




   一筋の糸のように
   あとからあとから
              
    繋がっている

   連れてくるのだ
   思いだせない何かたちを

   そんな蜘蛛の糸のような雨は
   けだるく絡みつき
   無粋な乾燥機の音だけが
   こだまする

   畳のうえに寝転んで
   暇つぶしに乳房を弄んでみるが
   疼きすらそこにはなくて

   しかたなく
   大きなあくびをして
   目尻に涙うかべ
   閉じたまぶたの裏で
   むかしの雨の音を聴く


   明日も雨は降るのだろう








自由詩 絡みつく雨 Copyright 石田とわ 2013-06-28 01:07:33
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