分断せよ
佐藤伊織


色と味覚が分離して
信号機の電気がきれかけている

幾何学によって分断された町を
1μmの精度ではかってまわる警備兵

地上に添えるように腕を挙げる若者の
焼身する身体を焦がしていく一滴の油もなく空が

轟音は何も切り裂かない
亀裂はすでにあった

調味料が浸透していく
揚げられた若者の
身体

足音




自由詩 分断せよ Copyright 佐藤伊織 2013-06-26 23:04:43
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