電気男
花形新次
遠いところで
雷が落ちた
ちょうど此処からも
落ちる瞬間が見えた
僕の嫌いな
ディックに
落ちた
そばに大きな
糸杉があるのに
落ちた
手足を広げたディックの
身体の周りが星形に
光って
骨が透けて見えた
藤子不二雄みたいだった
ディックは
ハイブリッドでは
なかったので
そのまま絶命した
蓄えられた電気は
電力会社が
買い取ることになった
自由詩
電気男
Copyright
花形新次
2013-06-22 08:43:37