深
霜天
その暗がりの
垣根の曲がり角
街灯の忘れた、深いところで
新しい
を待ち焦がれ
いつだって、夢に泳ぐ
暮れては明けて
それが僕らに与えられた規則で
夕焼けには耳の奥で
明日が開く音を予想する
それはもう
祈るような、深さ
明日、焼ける夜空の端は
平等に注がれること
空の底、大地の天辺で
ただ眠るだけの街にそっと吐息を吐き出せば
がたがたと開く扉の音、動き出す僕らの心音と
燃えるように、沈むように、回転している時間に
地平と地平の半円を、なぞるように手を広げて
深く、深く呼吸を、この星の溶けるところまで、押し込めて
重なり合った、夜と朝、分けることのできるこの手は
どこかでも、どこまでも、等しくその手に注がれて
今日が今日になる
ここにあるということを
朝がきて、暮れていく
手を広げたままの形で
僕らそれぞれに、片隅で
ここにあるということが
深くなる
深くなる