へびのひも
とつき

ほどかれなければ
ばらにもにている
そのいっぽんのひものかたまりは
かくりつてきにもひもなのに
新しい母が何度ほどいても
ぎんいろのへびにしかならなくて
それでも新しい母はぴんくのブラウスで
きちんと真ん中をつかんでいる
用がないなら聞いてくれてくれてもいいわ
へびの尻尾は肛門からしたよなんて
むすんだりほどいたり
ぎんのへびはほどかれるたびに
ミントの匂いがし
むすばれるとカルキの匂い
彼女は背の高いコップにソーダ水を注ぎながら
ソーダ水ってなんでソーダだけカタカナなの
意味が分からないと笑ってちょっと飲む
細長い首をのどあてのように守りたいのもやまやまだったが

するとそのじごくのそこにかんだたというおとこがひとり

しー
こちらをにらみつけ
まだ音が聞こえるでしょ


自由詩 へびのひも Copyright とつき 2013-06-11 21:39:48
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