海と風と僕のねじれたこころ
梅昆布茶
幼い頃から海が大好きだった。
道産子なので北の大地も僕の遊び場だったが函館という港街に長く住んだ。
洋風の風が吹くこの街で潮の香りが好きだった。
朝市のような活気に満ちあふれた世界はとても心地よかったものだ。
いつかこころがねじれて生きるようになった。
ねじれた人と会いねじれたこころでつきあってそれをあたりまえだと思うようになった。
海と風はいつも変わらないのに僕は変転してゆく。
夜の横浜を疾走することが好きだった。
オイルの焼ける匂い。
2サイクルの鋭い叫び。
バイクと一体になって走り続ける。
僕の青春の地図は迷路のように真っ直ぐに屈折していた。
エントロピーとの闘いが生きることならばそれを自分の闘いとしよう。
人と闘うのではない。
醜さはいちばん自分のなかにあるものだから。
彼女を深く傷つけたのは俺。
最低なマザーファッカーさ。
海と風と僕のねじれたこころ。
そのままで時代を走り抜けるんだ。
そうそのままでね。