告白
ヒヤシンス


誰しもが持つ少なからずの不安に梢で緑が揺れている。
あなたが私に声を掛けて下さった時、
(そう、あの時私は心此処に在らずだった)
それは天使にも悪魔にも似て、ただ薔薇の香りを鼻先に届けた。

誰しもが吐く少なからずの嘘に泣き濡れた幼子の幻影を見る。
人の優しさに心を打たれ、それに溺れたい心持ちを必死に堪え、
深く傷付く天邪鬼の心をその身から抉り出したい。
月が覗く窓辺に腰掛けて語り合える魂の友は何処に在るか。

人は時に自らの過ちを認め、深く発熱する。
心に秘めた過ちは(それは真っ赤に燃えた魂の塊)、
白く輝く真昼の太陽に、今、熔解する。

人生におけるあらゆる告白は、
(そう、私は幾度告白をし続けるだろう)
この澄み切った青い空の彼方に、今、昇天するのだ。


自由詩 告白 Copyright ヒヤシンス 2013-06-02 22:31:52
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