恋愛変異
かわぐちひろ

はじめはきっと愛の色
愛おしくて儚くて
触れるのも躊躇うほどに
遠く見守る愛の色

いつしかそれは恋の色
狂おしくて激しくて
引き寄せて求めるほどに
熱く焦がれる恋の色

明けない夜のないように
冷めない恋はありえない
涸れない泉のないように
尽きない想いはありえない

恋の魔法はやがて解け
再び愛へと姿を変える
ただひとりへの執着は
昇華し世界へ向けられる

そしてたしかな愛の色
美しくて華やかで
触れるのが嬉しいほどに
幸せ溢れる愛の色

世界は静かに変異する
そこに言葉はいらなくて
ふたりがともにあればいい
ふたりが永久(とわ)にあればいい


自由詩 恋愛変異 Copyright かわぐちひろ 2013-05-27 18:32:32
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