はじめての詩
yamadahifumi
言葉によって救われない夢なら
それは一体、何のための夢か
言葉によって癒されない人生なら
それでも「詩人」と呼べるのか
笑いたければ笑え、努力しているといいつつ
その「努力」はどのノウハウ本に書いてある努力なのか
常に、他人の視線に怯えつつ、他人に評価される事を期待しつつ
そうやって、酔っぱらい運転を続けて君はどこへ行こうというのか
何故、君は自分の孤独を信じられないのか
何故、生の希望という偽りか それとも
他人への蔑視という自分への欺瞞にしか生きられないのか
生きる事は死への直通路だと気づく事ができれば
僕達は生と死を二重に越えざるを得ないのに
何故、君はそこで立ち止まるのか
自分の生の称揚か、他人の死の礼賛 そのどちらかの道で
何故、君はそんなに怯えているのか
君がいつまで怯えていたって、有名になったってならなくたって
君という個体は死に、全ては無にはじけ飛んでいく
さて、そこで、君ははじめて一本の筆を手に取り
君が発見したその無に一つの大きな字を書く事ができるようになる
つまり、それこそが君が生まれてはじめて書いた
「詩」というわけだ