始発
山崎 風雅

 人は簡単に死ぬけれど 物は簡単に壊れるけれど

 星は簡単にガスになって散り散りになるけれど

 木も山も河も海も 時の長さに逆らって 存在できないけれど

 けれど けれど けれど



 形がなくなったなら 終わる だから 絶望なのか

 人は道具か 仕事は手段か 恋愛はゲームか


 答えがいつもあるのか

 答えがわかって 何か 変わるか


 人は そんなに高性能な生命体か? ?

 人が人を食い物にする悲劇を ただの一度も 克服した時代があったか?



 生きる自分を 自分の奴隷にしてしまうか

 生きる自分を 価値ある生命体にするか



 形には ならない から わかないけれど


 幸せなんて 陳腐な言葉に関心がいかないほど懸命に 活きるなら

 自ら自らの奴隷になった人たち を 気の毒に思う苦痛を時折感じながらも

 その夜も 形のない 壊れることのない こころ と ともに 

 よく寝れるだろう



 人生に答えが欲しいなんて 楽しようとする者の 寝言

 答えが出ても それは 次の問いの始発駅


 やらなアカンことは 変わらへん






 

 









 




 

 


自由詩 始発 Copyright 山崎 風雅 2013-05-18 01:14:22
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