紫時計
もっぷ

多摩川にて貸しボートに
ゆられるともなく
空いたコカ・コーラの缶は
転がるにまかせ

ふとここを
佐渡の流刑地だと思ってみることにする
みやこわすれに導かれたか
さきほどみたあの紫がよみがえる

時間ときを憂えるのはいつも人間
花も樹もそして草も
時計を望んだことはない

廻れば咲き寿命を歎かず
名づけられることすら知らず
なぜと問わずにそよぐだけ



自由詩 紫時計 Copyright もっぷ 2013-05-15 10:24:59
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