悲しみ
nonya


分かり切って
いることだけど

悲しくて
泣くのではない

涙が出るから
悲しいのだ

だけど

本当に
悲しい時
涙が出ないのは

心が空っぽに
なっちゃった
からではない

身体の真ん中で
感情が渋滞を
起こしているのだ

だから

彼の同情の街にも
彼女の激励の街にも
なかなか
行き着けないんだよ

ホバーリングする意識は
感情の渋滞を
つぶさに伝えてくれるけれど

いったいどんな顔をすればいい?

涙に似た水を流せばいいの?

ヘリコプターのローター音を
身体の真ん中で
聞きながら

どうして
みんな
悲しみ方を知っているんだろう?


思った




自由詩 悲しみ Copyright nonya 2013-05-11 08:57:50
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