走り出さぬ ランナー
藤鈴呼

番号さえ 足せば 
完成するのと 思いながら

最初から 一番にするのか
漸く 捥ぎ取った 一等賞なのか

ダントツの 一位とか言う 
二重敬語みたいな 苛立ちをも 乗せるのか

バルーンは 飛ばすのか 
針を刺して 散らすのか 

迷う内に 
時間になってしまいましたので
引き金を 押した

走り出さぬ ランナーに 苛立ちながら 
理由を問えば

引くべきものを 押したからです などと 
言い訳を吐く

その言葉に 吐き気を感じながら
押し戻した

ゆっくりと 白い波を
押し戻した

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 走り出さぬ ランナー Copyright 藤鈴呼 2013-05-11 07:37:39
notebook Home