宝石と空
こむ

サファイヤとラピスラズリ

少女は あかいあかいものを

おずおずと 手に包んでいるしかなかったので

柔らかくなりはじめた 首のあたりに

あおいあおい宝石が 欲しかったのでした。


少女は くらいくらいものを 見ているしかなかったので

あおいあおい空が 欲しかったのでした


少女は ある日 しろいしろい服を脱いで

あおいあおい空に 溶けて行きました


自由詩 宝石と空 Copyright こむ 2004-12-28 23:13:13
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