凝集
因子

ただしぜん手を繋げる女の子がいて
信じるとか、信じないとか
もうないから
そこにいれば手を繋ぐ


「すき」を信じるのはほんとうに骨が折れる
時間とコストがかかる
もうきっとそんなたっぷりの時間を
わたしはそうそう用意できないし
時間とコストがかかる骨の折れることを
するだけの体力もなさそうだ
まだ二十二なのに
もう二十二だから


わたしは凝集している
ただここに
この子の「すき」を信じた少女のころのわたしを
折れた骨としてのわたしを
核にして、ここにいる


自由詩 凝集 Copyright 因子 2013-05-02 23:49:16
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